
外見サポート研修会に参加して|がん治療の外見の悩みを「ひとりで抱えない」ために
2026年3月2日(月)がん経験者のための外見サポート研修会に、エピテーゼサロン綴のスタッフとともに参加してきました。
今回の研修は、事前にeラーニングで基礎知識を学ぶところからスタート。
がん経験者の心理的変化や、治療による外見の変化、社会復帰への不安について整理し、理解を深めた上で当日を迎えました。
心に残った「がん経験者の今の声」
当日は、病院における外見支援の実際についてもお話を伺いました。医療現場でどのように患者さんと向き合い、どのタイミングで支援を行い、どのような連携を取っているのか。具体的なお話は、非常に現実的で学びの多いものでした。
中でも心に残ったのは、ワークショップで直接聞いた「がん経験者の今の声」です。
- 治療が終わっても続く不安
- 見た目の変化に対する戸惑い
- 周囲の何気ない一言に傷ついた経験
- それでも前を向こうとする強さ
言葉一つひとつに重みがあり、「外見支援」は単に見た目を整えることではなく、その人が社会の中で自分らしく生きていくための後押しなのだと、改めて考えさせられました。
医療現場の現実と、外見支援が後回しになりやすい理由
がん治療は命に関わることです。医療現場ではまず「今の病気を治すこと」が最優先になりますし、患者さん自身も治療に専念するため、退院後の生活までを十分に考えられない時期があります。
外見の悩みへのサポートは、看護師さんが担うことも多い一方で、外来でも病棟でも「やることが山ほどある」のが現状。
一人ひとりの気持ちに丁寧に寄り添いたくても、時間や体制の面で難しさがある――その現実も、研修を通してより具体的に理解できました。
退院後も続く外見の変化|よくある困りごと
退院したら終わり、ではなく、治療は続きます。生活の中でじわじわ効いてくるのが外見の変化です。
- 髪が抜ける(脱毛):ウィッグ・帽子・眉毛のケアなど
- 爪が割れる/黒くなる:ネイルの工夫、保護、日常でのケア
- むくみがひどい:圧迫ケアや日常の工夫
- 乳がん術後のお胸のケア:シリコーンパッド・人工乳房など
そして多いのが、こんなお声です。
「どこに相談したらいいの?」
「看護師さんからパンフレットはもらったけど、結局どこが自分に合うの?」
「近くで通える場所があるのか分からない…」
情報があるようで、必要な人ほどたどり着きにくい。だからこそ“迷わず相談できる導線”が重要だと感じました。
医療〜地域連携が大切だと実感したこと
今回の研修では、医療・福祉関係者だけでなく、美容に関わる専門職の方々も参加され、職種を超えて学び合う時間がありました。
「こうしたらもっと安心につながる」
「このタイミングで伝えられると助かる」
そんな意見が自然に交わされる場で、医療〜地域連携(職種を超えた理解と地域ネットワーク)がいかに大切かを、改めて実感しました。
また、展示の場では、私どもの扱うシリコーンで作る補装具(エピテーゼ)について、初めて知ってくださる方も多く、必要な方へ情報が届くための「接点」の重要性も感じました。
石川県の「外見サポート」公式サイトが開設されました


今回で第6回となる、がん経験者の外見サポート研修会。少しずつですが、「がん治療による外見の変化をひとりで抱えない」ための取り組みが広がっていることも感じました。
そして嬉しいニュースとして、がん経験者・医療/福祉/美容の専門職をつなぐ「外見サポート」公式サイトが開設されました。
このサイトでは、石川県内で外見の変化に困ったとき、相談できる場所や専門職の情報を探しやすくなっています。
「自宅から近いところ」「通えるところ」が見つかる可能性もあるので、ぜひ一度検索してみてください。
▶ 外見サポート公式サイト(gaiken-support.com)
綴としてできること|小さな改善を積み重ねる
私たちはエピテーゼを製作しています。形を整えることはできます。色を合わせることもできます。
けれど本当に大切なのは、その先にある「その人の気持ち」です。
エピテーゼサロン綴として、できることは決して大きなことばかりではありません。
でも、
- 一つひとつ丁寧に向き合うこと
- 学び続けること
- 声に耳を傾けること
- 小さな改善を積み重ねること
その「コツコツ」が、やがて大きな安心につながると信じています。今回の研修で得た学びを、日々の現場に活かしていきたいと思います。
よくある質問(FAQ)
Q1. がん治療で外見が変わったとき、まず何から始めればいいですか?
A. まずは「何が一番困っているか」を一つに絞ってOKです(脱毛、眉毛、爪、むくみ、乳がん術後のお胸のケアなど)。相談先が分からない場合は、公式サイトのようなまとめ情報を使うと探しやすくなります。
Q2. 看護師さんからパンフレットをもらったけど、結局どこが自分に合うか分かりません。
A. よくあるお悩みです。「通える距離」「予約のしやすさ」「相談しやすい雰囲気」「自分の困りごとに強い分野(ウィッグ/爪/むくみ/乳房ケアなど)」で絞ると選びやすくなります。
Q3. 乳がん術後の左右差やくぼみは、どんな選択肢がありますか?
A. 状況により選択肢は変わりますが、シリコーンパッドでの補整や人工乳房など、段階的に検討できることが多いです。「今は軽く整えたい」「外出のときだけ使いたい」など、生活に合わせて相談できるのが外見ケアの良さです。
Q4. 相談に行くのが不安です。何を話せばいいですか?
A. 「困っている場面(仕事・外出・家の中)」「いつ頃から」「どの程度気になるか」だけでも十分です。うまく言葉にできなくても、相談先は一緒に整理するところから始められます。
Q5. 外見ケアの相談は、治療中でもしていいですか?
A. はい。治療中だからこそ、日々のストレスを減らす工夫が役立つことがあります。体調や治療内容により注意点もあるため、無理せず「今できる範囲」を相談するのがおすすめです。
▶ お問い合わせはこちら
👉 公式LINE または TEL 076-287-3182
🔗 乳がん術後「どうする?」選択肢を増やすために|術前・術後の相談から製作まで

