乳がんの治療が始まる前、あるいは治療がひと段落したあと。ふと現実味を帯びてくる悩みがあります。
それは「術後の胸を、これからどうしていくか」ということです。
私たちのもとには、術前・術後どちらのタイミングでもご相談が多く寄せられます。
術前は「今はまだ想像できないけれど、選択肢だけは知っておきたい」。
術後は「ようやく気持ちが追いついてきた」「服を着たときの見え方が気になってきた」。
同じ“胸の悩み”でも、経過や時期によっての不安や求めるものが変わるのを日々感じています。
今日は作り手の立場から、乳がん術後に「どうする?」と迷ったときに知っておきたい選択肢と私たちが大切にしている考え方をお話しします。
(医療的な判断が必要な内容は、必ず主治医の先生とご相談ください)
この記事でわかること(目次)
- 術前・術後で悩みが変わるのは自然なこと
- 「どうする?」に正解はひとつではない
- 選択肢を事前に増やしておく意味
- 再建手術への不安はリアルで当たり前
- 再建をする・しないにかかわらず外見を整える選択肢
- デジタル導入で負担を減らす工夫
- すべてをデジタルにしない理由(アナログの良さ)
- FAQ(よくある質問)
術前・術後で悩みが変わるのは自然なこと
術前は、病気のこと、治療のこと、家族のこと――考えることが多すぎて、術後の胸のことまで頭が回らない方も少なくありません。だからこそ「今すぐ決める」のではなく“選べる選択肢を作っておく”という考え方が役に立ちます。
術後は、生活が少し落ち着き始めたころにふとした瞬間気になることが出てきます。
治療中は放射線治療や抗がん剤による皮膚の荒れ、むくみ
服を着て鏡を見たときに感じる左右差、下着の当たりや違和感、汗やズレ。温泉や健診など、人の目が気になる場面で急に不安になることもあります。
術前・術後、どちらの時期でも「悩むこと」自体が悪いわけではありません。むしろ、病気を受け入れて前に進んでいく準備として、少しずつ考えられるようになるのは自然な流れだと思います。
→ 関連FAQ:術前相談で何を聞けばいい?/相談したら必ず作らないといけない?
「乳がん術後、どうする?」に正解はひとつではない
乳がん術後の胸の受け止め方は本当に人それぞれです。
・できるだけ早く、見た目の安心を取り戻したい
・しばらくは触れたくない、考えたくない
・人前では整えたいけれど、家ではそのままでもいい
・服を着たとき自然に見えれば十分
・せっかくなら形にもこだわりたい
どれも「その人にとっての自然」で、どれも間違いではありません。だからこそ、術後の胸のことは「こうすべき」ではなく、自分に合う選び方でいいのです。
→ 関連FAQ:家族や職場に知られたくない
選択肢を“事前に知っておく”ことが安心につながる
術後すぐに答えを出さなくても大丈夫です。ただ、術前相談で私たちがよくお伝えするのは、選択肢は早めに知っておくほど、心が少しラクになることがあるという点です。
選択肢を知ることは「決断」ではなく、安心の準備です。
今すぐ動けなくてもいい。でも“できることがある”と分かるだけで楽になる。必要になったとき、焦らず選べる。
術前の時点で「再建」「補整」「いったん何もしない」などの道が見えていると、術後に気持ちが追いついたとき、次の一歩が踏み出しやすくなる方も多いです。
→ 関連FAQ:術前相談で何を聞けばいい?
再建手術の不安は、皆さんが抱える共通のもの
再建手術を選ぶ方もいれば、選ばない方もいます。どちらが良いという話ではなく、ここでも大切なのは自分の生活・価値観・タイミングです。
相談の中で、よく耳にするのがこんな揺れる気持ちです。
「元通りに戻るなら、できればしたい」
「でも、また傷が増えるのが怖い」
「もうこれ以上、痛い思いはしたくない」
「手術が終わったと思ったのに、また治療が続く感じがしてつらい」
「家族には前向きに見せたいけど、本当は怖い」
“戻したい”と思うのも、“怖い”と思うのも、どちらも本音。弱さではなく、体験してきたからこその自然な反応だと思います。
だからこそ私たちは、外見を整える方法をひとつに決め切らなくていいと考えています。
→ 関連FAQ:再建と補整は併用できる?/痛みはある?
再建をする・しないにかかわらず、外見を整える選択肢はある
再建を検討する場合、治療計画や身体への負担、通院のしやすさなど、考えることが増えます。
一方で、再建を選ばない場合でも、服を着たときのシルエットや左右差の悩みを補整という形で整える方法があります。
また再建をする方でも、「手術まで時間がある」「術後の形が落ち着くまで不安」など、“途中の期間”を支える手段として補整が役立つこともあります。
選択肢が複数あると、気持ちが少し軽くなる方が多いのは、「いまはこれ」「必要になったら次を考える」と段階的に選べるからだと思います。
デジタル技術導入で“負担を減らす”ための工夫
ここで、人工乳房・エピテーゼについてのお話しをしたいと思います。
従来の製作は、型どりから始めて、形を作り、調整を重ねて完成へ進む流れが主でした。もちろん、この“手で確かめる工程”には大きな意味があります。
ただ、術前・術後の方にとっては、
・長時間の来店
・移動や日程調整
・体調の波
・「胸に触れる工程」そのものの心理的負担
こうした負担が重なることがあります。
だから私たちは、デジタル技術を取り入れて「負担を減らせる部分」に応用する工夫をしています。目的は最新だからではありません。お客様の体と心の負担を減らすためです。

その場で一緒に確認を行います。デジタル導入により従来は型どりに30分程度かかっていた時間も
5分程度でできるようになりました。

※個人情報保護のため画像はデザインソフト上で製作したものです。
すべてをデジタルにはできない。アナログがあってこそのデジタル
作り手として、はっきりお伝えしたいのは
すべてをデジタルだけで完結させることはできません。
仕上がりの自然さは、数値や画面の中だけでは決まらないからです。
肌になじむ境目、服を着たときの影の出方、立ったとき・座ったときの見え方、そして、ご本人が「これなら大丈夫」と思える感覚。
この“最後の自然さ”は、人の手で確認し微調整があってこそ整います。
私たちはデジタルとアナログを対立させず、アナログがあるからデジタルが生きるという考えで使い分けています。
そして、技術に“使われる”のではなく、必要な場面で“使う”。主役はいつでもお客様です。
よくある質問(FAQ)
Q1. 再建手術と補整(義乳・人工乳房)は併用できますか?
A. 併用される方もいらっしゃいます。たとえば「再建手術までの期間」「術後の状態が落ち着くまで」「左右差が気になる時期」など、状況に応じて補整で見た目や安心感を支えることがあります。医療行為そのものの判断は主治医の先生と相談しながら、日常生活の不安を減らすための方法として補整を選ぶ、という考え方も可能です。
人工乳房だけでなく、パッドなども販売していますのでお客様に合わせご提案させていただいています。
Q2. 術前相談では、何を聞けばいいですか?(準備しておくといいこと)
A. 整理できていなくても大丈夫ですが、次の項目があると話が進みやすくなります。
・どんな場面で困りそうか(仕事/外出/温泉/運動など)
・見た目の優先度(服を着たとき自然に見えればOK/形までこだわりたい等)
・通える回数の希望(なるべく少なくしたい/通える)
・今いちばん不安なこと(痛み/傷/家族や職場の目)
術前は“決める場”というより“選択肢を知る場”として使っていただいて大丈夫です。
Q3. 補整や人工乳房は痛いですか?肌への負担が心配です
A. 感じ方は個人差があり、術後の皮膚の状態や感覚の変化によっても変わります。私たちは無理に進めず、肌当たり・圧迫感・接触時間などを確認しながら調整します。「痛いのは嫌」「触れるのが怖い」というお気持ちも含めて相談していただいて大丈夫です。気になる症状がある場合は医療的な確認が必要になることもあるため、安全第一で進めます。
Q4. 来店回数はどれくらい必要ですか?遠方でも大丈夫?
A. ご希望(どこまで自然さを求めるか/調整の回数をどうするか)とお身体の状態によって変わります。遠方の方や体調面で来店が負担な方には、オンラインでの事前確認をさせていただき「来店回数・滞在時間」を減らせるよう調整することがあります。まずは状況を伺い、無理のない現実的な進め方をご提案します。
Q5. 費用の目安はどれくらいですか?何で差が出ますか?
A.エピテーゼサロン綴では、フルオーダーはもちろんですが、パッドやニップル、人工乳房の既製品の販売もおこなっております。サイズや種類によって金額が変わりますが例として
パッド 36,300~
人工乳房(既製品)187,000~
フルオーダー 492,800
となっております。
Q6. 汗でズレたり、蒸れたりしませんか?夏が心配です
A. 汗・蒸れ・ズレは多くの方が心配されるポイントです。シリコンの性質上、通気性はありません。そのため夏場は汗で蒸れてしまいます。汗対策としてパッドと接触面の間にタオルを挟むなど工夫をして身に着けていただいております。生活スタイル(仕事・外出・運動)に合わせて、無理なく続けられる方法を一緒に探していきましょう。
Q7. 家族や職場に知られたくありません。相談や連絡方法も不安です
A. そのお気持ちはとても自然です。相談では「どこまで周囲に伝えているか/伝えたくないか」も含めて配慮します。連絡方法(電話・メッセージ等)や受け取り方法など、可能な範囲で不安が少なくなるよう調整します。まずは「何が不安か」だけでも教えてください。
Q8. 相談したら、必ず作らないといけませんか?
A. いいえ。相談は「作るため」だけではなく、選択肢を知って安心するために使っていただいて大丈夫です。術前の「情報だけ知りたい」も、術後の「生活の中で気になってきた」も歓迎しています。今の状況に合う進め方を一緒に考えます。
最後に(記事末の導線)
「術前だけど、選択肢を知っておきたい」
「再建も気になるけど、痛みや傷が怖くて迷っている」
「術後、服を着たときの左右差が気になる」
「通う回数をできるだけ減らしたい」
そんな段階でも大丈夫です。無理のない進め方を一緒に考えますので、気軽にご相談ください。
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