スタッフブログ

エピテーゼ製作で悩む「正解」とは?製作者が考える自然な仕上がり

エピテーゼ製作をしていて感じること・考えること

― 製作者として「正解」をどこに置くのか ―

エピテーゼ製作に携わっていると
ふと立ち止まって考えることがあります。

「製作者としての正解の基準を、どこに置くべきなのだろう」
と…

一人ひとり違うからこそ、正解もひとつではない

エピテーゼは、
一人ひとり形も違えば、色も違います。

年齢や性別
これまでの生活背景や価値観によっても
求められるものは大きく異なります。

同じ「耳」「指」「乳房」という部位であっても
まったく同じ条件の方はいません。

だからこそ
毎回が新しい判断の連続であり

「本当にこれでいいのか、もっといい方法があるのではないか」
と簡単に答えが出る仕事ではないと日々、感じています。

歯科技工士としてのこだわり

歯科技工士としてものづくりに携わってきた私にとって
左右対称であること
色味をできるだけきれいに合わせること
本物と区別がつかないくらいそっくりなものを作りたいという気持ちは
職人としてのこだわりであり
簡単に曲げたくない部分でもあります。

「ここまで寄せたい」
「もっと合わせられるはず」

そう思う気持ちは
ものづくりをする者として自然な感覚で

大切なことだと思っています。

だからこそ
ときには自分の中で納得がいかなかったり
モヤモヤすることもあります。

社長と意見が食い違うことも…

自分の正解=お客様の正解、とは限らない

この仕事を続ける中で
強く感じるようになったことがあります。

それは
自分の中での正解が、必ずしもお客様の求めるものとは限らない
ということです。

実際にご来店いただき
お話をさせていただくと

「できるだけ自然な仕上がりがいいです」

とおっしゃるお客様が、とても多くいらっしゃいます。

「自然」とは何なのか

では、
自然とはどういうことなのでしょうか。

反対側と
まったく同じ形・同じ太さ・同じ色に作ることが
本当に自然なのか。

エピテーゼ制作に携わり始めた当初は「自然=同じ」と考えていましたし

そうでなければ作る意味がないのでは?

とかなり偏った思考をしていました。

ですが、今思うのは
全体として調和しているか、見た目のバランスはどうか
が、自然に見えるために必要な条件なのではないか?と感じています。

指エピテーゼで感じる「バランス」の難しさ

指のエピテーゼでは
特にそのことを強く感じます。

メラノーマなどで外科手術をされた後は
切断部が太くなっているケースも少なくありません。

その場合
反対側の指とまったく同じ太さで作ってしまうと
指先に向かって細くなり
かえって切断部の太さが強調されてしまいます。
すると、逆に不自然に見えてしまうことがあるのです。

そのため「全く同じに作る」ことが、
必ずしも「自然につながる」わけではない。

ここが
とても大切で
そして一番難しい部分だと感じています。

大切なのは、全体のバランスを見ること

エピテーゼ製作で重要なのは
部分だけを見るのではなく
全体のバランスをどう整えるか

形・太さ・長さ・色味――
それらを組み合わせたときに
手全体、身体全体としてどう見えるのか。

その判断には
技術だけでなく
感覚や経験、そしてお客様からの視点や対話が必要になります。

一緒に「正解」を探していくために

これからも
お客様に寄り添いながら
「これが正解です」と一方的に決めるのではなく

一緒に正解を探していける場所でありたい。

そして製作者としても
悩み、考え、試行錯誤しながら
より良いものを作り続けていきたいと思っています。

エピテーゼ製作は
完成した瞬間だけで終わる仕事ではありません。

その方の生活の中に
そっと馴染んでいくこと。

自分らしくまた前を向けるような

心のお守りのようなものであってほしいと願っています。

それこそが、
私たちの目指す目標です。

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