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歯科技工士がエピテーゼを作る理由|精密技術が支える人工ボディパーツ製作

この記事でわかること

・歯科技工士がエピテーゼを製作できる理由
・歯科技工の技術がエピテーゼにどう活かされているか
・「形を作る」だけではない、ものづくりの本質
・歯科技工から医療技工へと広がる可能性

「歯科技工士さんがエピテーゼも作れるんですか?」

初めてお会いする方から、
私たちはよくこのようなご質問をいただきます。

「歯科技工士さんが、エピテーゼも作れるんですか?」

歯科技工士の仕事と聞くと
入れ歯や差し歯、インプラントなど
口の中に入る人工物を作る仕事を
思い浮かべる方が多いかもしれません。

確かに私たち歯科技工士の主な仕事は
ごく限られた小さなスペースに
違和感なく、ぴたりと収まる人工物を作ることです。

歯科技工で培われる「精密さ」と「個別対応力」

歯科技工の現場では、
ミリ単位、時にはそれ以下の精度が求められます。

形、厚み、角度、色調
ほんのわずかな違いが
装着時の違和感や使い心地に大きく影響します。

また、患者さん一人ひとりの
口腔内の状態や噛み合わせ
「どう使いたいか」という希望に合わせて
完全なオーダーメイドで製作を行います。

実は、この
「精密さ」と「個別対応力」こそが、
エピテーゼ製作において大きな力を発揮する要素
なのです。

顔や身体にフィットする“技術”と“感性”

エピテーゼは
指・耳・鼻・乳房など
失われた体の一部を外見的に補う装具です。

事故や病気、先天的な理由で欠損された方にとって、
エピテーゼは単なる装飾品ではありません。

「もう一度、前を向くためのきっかけ」
「自分らしく日常を過ごすための支え」
となる、大切な存在です。

歯科技工士として
歯の形や色を精密に再現してきた私たちは
形状の再現、肌の色合わせ
装着したときの安定性や自然さに対する感覚を
日々の仕事の中で培ってきました。

その技術と感性を、
「口の中」から「顔や身体」へと応用する。
それが、私たちがエピテーゼ製作に関わる理由です。

ただ“形”を作るだけではない、ということ

歯科技工では、
歯科医師や患者さんと連携しながら製作を進めます。

エピテーゼも同じです。

医師と連携し
ご本人のお話を丁寧に伺いながら
「どう見せたいか」
「どんなふうに過ごしたいか」

という思いを形にしていきます。

そこには、
単なるモノづくり以上の価値があります。

それは、
「心に寄り添うものづくり」

技術だけでなく、
相手の立場に立って考える感性が、
何より大切だと感じています。

歯科技工から医療技工へ、そしてその先へ

近年、歯科技工の枠を超えて
形成外科や乳房再建など
医科領域との連携も少しずつ広がってきました。

私たち歯科技工士が持つ
「手の技術」「観察力」「再現力」は、
もっと多くの分野で役立てるはずだと感じています。

医療の現場で、
患者さんのQOL(生活の質)を高めるために、
見た目と心の両方を支えるエピテーゼ。

その中に、
歯科技工士の力が活きていることを、
これからも丁寧に発信していきたいと思います。

最後に

歯科技工士がエピテーゼを作るということは、
決して特別なことではなく、
これまで積み重ねてきた技術の延長線上にあります。

一人ひとりに寄り添い、
その方の人生の一部を支えるものづくりを。

そんな想いを胸に、
これからもエピテーゼ製作に向き合っていきます。

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すぎちゃん

杉本 雄二(すぎもと・ゆうじ)プロフィール
エピテーゼサロン綴 代表。
歯科技工士/日本歯科技工学会 評議員/技工士教育・研究開発にも精力的に取り組む。
1984年に富山歯科総合学院 歯科技工士科を卒業後、石川県立中央病院 歯科口腔外科に勤務。
1994年に歯科技工所「デントニウム」を開設、2003年には法人化。
以来、歯科技工だけでなく、再建医療・審美分野への応用技術に取り組み、
人工乳房・耳・指などのエピテーゼ製作やカスタム手術ガイドの開発も行っている。
■ 主な役職歴
• 2014〜2020年:石川県歯科技工士会 会長
• 2022年〜:石川県歯科技工士連盟 会長
• 日本歯科技工学会 評議員
• 第41回日本歯科技工学会 準備委員長
• 2016〜2018年:日本歯科技工士連盟 理事
■ 海外発表・国際活動
• 2013年:国際歯科技工学会(韓国)にて発表
• 2017年:ベトナム国際セミナー「歯科医療に貢献する歯科技工」参加
• 2018年:アメリカ審美学会(AEED)にて発表
• 2019年:台湾・台南歯科医師会総会に招待参加
• 2025年:国際歯科技工学会 ポスター発表(優秀賞受賞)
■ 特許・共同研究実績
• 2011年:歯科用インプラントに用いるジグ(特許取得)
• 2022年:指エピテーゼの関節機能に関する共同研究(国立石川高専)
• 2024年:人工乳房の開発(金沢工業大学と共同研究)
• 2024年:口唇口蓋裂患者向け、ホッツ床とエピテーゼ一体型新技術の開発
________________________________________
「医療技術と美しさの両立」を目指して、患者一人ひとりのQOL向上に寄与する技工を日々探求中。
現在は、技工と形成外科・再建医療の融合分野にも取り組みながら、
後進育成や地域の医療連携にも力を注いでいる。

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