東京大学医学部附属病院内「FOR AC東大病院店」へ 〜人工乳房・シリコーンパッド「まろみ」から広がる外見ケアの選択肢〜
昨日、東京へ出張し、東京大学医学部附属病院内にある「FOR AC東大病院店」を訪問してきました。
今回の目的は、私たちエピテーゼサロン綴の製品をご紹介するとともに、今後どのような形で連携していけるのか、そして患者さんが実際に商品を手に取り、試着できる機会をつくれないかについてお話を伺うことでした。
石川県から東京へ。
距離はありますが、実際に現地へ足を運び、店舗の雰囲気を見て、販売に携わる方と直接お話しすることで、資料やメールだけでは分からないことがたくさん見えてきました。

東京大学医学部附属病院へ。今回は院内のFOR AC東大病院店を訪問しました。
この記事でお伝えしたいこと
- 東京大学医学部附属病院内「FOR AC東大病院店」を訪問したこと
- シリコーンパッド「まろみ」「まろみプレミアム」についてご紹介したこと
- 病院内で外見ケアを相談できる場所の大切さ
- 実際に商品を見て、触れて、試着できることの意味
- 今後の試着相談会や連携の可能性について
- エピテーゼという選択肢を、必要な方へ届けていきたいという思い
東京大学医学部附属病院内の「FOR AC東大病院店」へ
今回訪問したのは、東京大学医学部附属病院内にある「FOR AC東大病院店」です。
FOR ACでは、ウィッグをはじめ、治療に伴う外見の変化に関するさまざまな商品や情報を取り扱っています。
病院の中に、こうした外見ケアについて相談できる場所があることには、とても大きな意味があると感じました。
治療中や治療後は、身体的な負担だけでなく、髪や乳房、肌、爪など、外見の変化に戸惑われる方も少なくありません。
しかし、
「どこへ相談すればよいのか分からない」
「何を選べばいいのか分からない」
「インターネットで調べても、自分に合うものか判断できない」
という方もいらっしゃると思います。
そんなとき、治療を受けている病院の中に、実際の商品を見ながら相談できる場所があることは、大きな安心につながるのではないでしょうか。

東京大学医学部附属病院内のFOR AC東大病院店。ウィッグをはじめ、外見ケアに関するさまざまな商品が並んでいます。
まずは「エピテーゼサロン綴」についてご紹介
今回の面談では、資料を見ていただきながら、私たちの取り組みについてご説明しました。
エピテーゼサロン綴は、歯科技工所で培ってきたものづくりの技術を生かし、2024年にスタートしました。
歯科技工の仕事では、ミリ単位以下の細かな精度や、色、形、質感を見ながら、一人ひとりに合わせたものを製作します。
その技術を、歯だけではなく、身体の一部を補うエピテーゼにも生かしています。
乳房。
耳。
指。
鼻などの顔面部。
病気や事故、先天的な理由などによって身体の一部を失われた方に対して、シリコーンなどを使用したエピテーゼを製作しています。
今回特にご紹介した「まろみ」と「まろみプレミアム」
今回、特に詳しくご紹介したのが、乳がん手術後の方にお使いいただくシリコーンパッド「まろみ」と「まろみプレミアム」です。
「まろみ」は、乳がんの手術後などで生じた左右差を補うためのシリコーンパッドです。
人工乳房ほど大きく補う必要はないけれど、
「少し左右差が気になる」
「洋服を着たときのバランスを整えたい」
「まずは気軽に使えるものから試してみたい」
という方にも選択肢の一つとしてご案内しています。
一方、「まろみプレミアム」は、より人工乳房に近い形状を持たせた製品です。
乳房の状態や手術方法、補いたいボリュームは一人ひとり異なります。
だからこそ、最初から一つの商品に決めるのではなく、実際にいくつかのサイズや形を試しながら、ご自身に合うものを選んでいただくことが大切だと考えています。

FOR AC東大病院店で展示いただいている乳房関連商品。実際に見て、触れて、自分に合った選択肢を考えていただけます。
「全サイズを試着できる」ということの大きさ
今回お話を伺う中で、特に印象に残ったのが、実際に試着して選べることの大切さでした。
乳房関連の商品は、写真やサイズ表だけでは、自分に合うかどうか分かりにくいものです。
同じサイズ表記でも、体格や手術後の状態、残っている乳房の形、下着との組み合わせなどによって、見え方や使い心地は変わります。
だからこそ、実際に商品を手に取り、重さや柔らかさを確かめ、下着の中に入れてみる。
そして鏡を見ながら、
「こちらの方が自然かな」
「もう少し小さい方がいいかな」
「この厚みなら使いやすそう」
と、ご本人が納得しながら選べることがとても大切だと思います。
FOR AC東大病院店では、既にウィッグや下着、乳房関連商品などが展示されています。
その中で、術後比較的早い時期から使いやすく、複数サイズを試着しながら選べる「まろみ」について、患者さんにも提案しやすいのではないかというお話をいただきました。
外見ケアという言葉も、少しずつ身近に
今回お話をさせていただく中で、「外見ケア(アピアランスケア)」という言葉が少しずつ知られるようになってきたというお話もありました。
アピアランスケアとは、病気や治療によって起こる外見の変化に対して、その方らしい生活を送るために行われる支援です。
ウィッグ。
眉毛やまつ毛。
爪。
肌。
乳房。
身体の欠損部分。
悩みは一人ひとり異なります。
そして大切なのは、必ず「元通りに見せなければならない」ということではありません。
何もしないという選択肢もあります。
ウィッグを使う。
下着で補う。
シリコーンパッドを使う。
人工乳房を使う。
エピテーゼを使う。
その方自身が、自分に合った方法を選べることが大切です。
「こういう選択肢もあります」と伝えられる場所に
今回FOR AC東大病院店を訪問し、改めて感じたことがあります。
それは、商品を販売するだけではなく、
「こういう選択肢もありますよ」
と情報を届ける場所が必要だということです。
乳がんの治療方法も一人ひとり違います。
全摘をされた方。
部分切除をされた方。
再建をされた方。
再建を選ばれない方。
必要とする外見ケアも、それぞれ異なります。
だからこそ、特定の商品だけを勧めるのではなく、その方の状況や希望に合わせて、いくつかの選択肢をご案内できる場所が必要なのだと思います。
病院内だからこそできる外見ケア
今回実際に店舗を訪れて感じたのは、病院内にあるサロンだからこそできることがあるということです。
治療のために病院へ来たときに、少し立ち寄ることができる。
気になる商品を見ることができる。
スタッフに相談できる。
必要であれば、実際に試すことができる。
患者さんにとって、新たに別の場所を探して足を運ぶことは、思っている以上に負担になることがあります。
その意味でも、治療を受ける病院の中で外見ケアについて相談できるというのは、大きなメリットだと感じました。
将来的には「まろみ」の試着相談会も
今回の面談では、今後の取り組みについてもお話ししました。
FOR AC東大病院店では、院内サロンでイベントを開催することも可能とのことで、今後、年に一度でも「やわび」「まろみ」「まろみプレミアム」の試着相談会のような機会をつくれないかという話も出ています。
実際に商品を見ていただく。
触っていただく。
サイズを試していただく。
気になることを直接相談していただく。
そうした機会があれば、インターネットの情報だけでは分からなかったことも、より具体的にイメージしていただけると思います。
まだ開催時期や内容など、これから相談していく段階ですが、患者さんが自分に合ったものを選べる機会につながれば嬉しく思います。
乳房だけではなく、耳や指のエピテーゼについても
今回の訪問では、乳房関連の商品だけではなく、義指や義耳などのエピテーゼについてもご紹介しました。
病気や事故などによって身体の一部を失われた方の中には、
「こういうものが作れることを知らなかった」
という方も少なくありません。
エピテーゼという言葉自体が、まだ一般には十分知られていないからです。
だからこそ、外見ケアについて相談する場所で、
「乳房だけではなく、耳や指などにもこうした選択肢があります」
と知っていただけることにも意味があると思っています。
サンプルを送るだけでは分からないこと
今回の東京出張で、私自身が特に感じたことがあります。
商品サンプルやパンフレットを送れば、商品の情報をお伝えすることはできます。
メールやオンラインで説明することもできます。
しかし、やはり実際に店舗へ足を運んでみなければ分からないことがあります。
どんな商品が並んでいるのか。
患者さんはどんな動線で店舗へ入るのか。
どのような雰囲気の中で相談をされるのか。
どんな方が商品を説明されるのか。
そうしたことを自分の目で見ることで、
「では、私たちの商品をここでどうご案内したらよいだろう」
ということを、より具体的に考えることができます。
そして何より、販売に携わる方と直接顔を合わせ、商品を手に取りながら説明することで、こちらの思いや商品の特徴も伝わりやすくなります。
東京でも「見て・触れて・選べる」場所へ
これまで石川県を中心に、エピテーゼや人工乳房、シリコーンパッドについてご相談をお受けしてきました。
しかし、必要としている方は全国にいらっしゃいます。
遠方の場合、オンライン相談や郵送試着という方法もあります。
それでも、実際に商品を見て、触れて、試してみたいという方もいらっしゃいます。
今回のFOR AC東大病院店とのつながりが、東京や関東にお住まいの方にとって、エピテーゼサロン綴の商品を知っていただく新しい入口になればと思っています。
おわりに 〜必要な方へ「選べる情報」を届けたい〜
今回の東京出張では、東京大学医学部附属病院内のFOR AC東大病院店を訪問し、エピテーゼサロン綴の取り組みや製品についてご紹介することができました。
特に、シリコーンパッド「まろみ」や「まろみプレミアム」について、実際に商品を見ながらお話しできたことは、とても有意義な機会でした。
そして改めて感じたのは、
「良い商品を作るだけでは、必要な方には届かない」
ということです。
まず、その存在を知っていただくこと。
そして、必要なときに相談できる場所があること。
実際に見たり、触ったり、試着したりして、自分自身で選べること。
そこまでつながって初めて、製品は本当の意味で「選択肢」になるのだと思います。
ウィッグ、下着、シリコーンパッド、人工乳房、そしてエピテーゼ。
すべての方に同じ答えがあるわけではありません。
だからこそ、必要な情報を知ったうえで、その方自身が自分に合った方法を選べることを大切にしたいと思っています。
今後はFOR AC東大病院店の皆さまと相談しながら、試着相談会なども含め、どのような形で連携できるのかを一つずつ検討していきます。
「こういう選択肢もあったんだ」
その一言につながるように。
これからも、私たちのものづくりと情報を、必要としている方へ丁寧に届けていきたいと思います。
