スタッフブログ

医局カンファレンスに参加して|血流スコープの説明で感じた「医療は多職種で支えられている」

病院医局のカンファレンスに参加して感じたこと

昨日は、病院の医局で行われたカンファレンスに参加させていただきました。
普段の仕事とはまた少し違う空気の中で、先生方のお話を聞きながら、多くの学びを得る時間となりました。

こうした場に参加させていただくたびに感じるのは、医療というものが本当に多くの人たちの力によって支えられているということです。
病院の中だけでも、医師だけでも、医療は成り立ちません。
一つひとつの判断の背景に、さまざまな知恵や技術、そして連携がある。
昨日は、その「当たり前」を改めて実感する一日でした。

普段とは違う“医局の空気”

医局でのカンファレンスは、独特の緊張感があります。
決して堅苦しいという意味ではなく、言葉の一つひとつに「患者さんのために」という目的が通っている。
症例の整理、検査データの読み解き、治療方針の検討、手術の段取り――
その場で交わされるやり取りには、現場のリアルが詰まっています。

医療は「正解が一つ」とは限りません。
だからこそ、複数の視点で確認し、議論し、最善の落としどころを探していく。
そのプロセス自体が医療の質を支えているのだと思います。

普段、私はエピテーゼやサージカルガイドの製作に関わっていますが、こうした場に触れると、
「自分の仕事が、どのタイミングで、どんな意味を持つのか」
を自然と考えるようになります。

血流スコープの説明で感じた驚き

今回、特に印象に残ったのは、血流スコープの機械についての説明でした。
正直なところ、私はその会社の名前を初めて耳にしました。

しかし説明を聞いているうちに、
「こんな機械を開発している会社があるのか」
と驚かされました。

医療機器というと、CTやMRIのように“誰もが知っている機械”が先に思い浮かびます。
ところが実際には、目立たない場所で、現場の判断を支える機器が数多く存在します。
そして、そういう機器ほど「分かりにくいけれど、実は重要」だったりします。

血流を“見える化”することは、診断や治療の質に直結します。
見た目だけでは分からない情報が得られることで、判断の根拠が増え、選択肢が広がる。
患者さんの負担が減る可能性もある。
説明を聞きながら、そんなことを考えていました。

医療の裏側には、膨大な「開発」と「改良」がある

医療の世界というと、どうしても病院や医師、看護師といった方々に目が向きがちです。
もちろんそれは間違いではありません。最前線で向き合っているのは現場の方々です。

ただ、医療がここまで進歩してきた背景には、現場の外側にいる人たちの存在があります。
医療機器を開発する企業や研究者、技術者、材料メーカー、品質管理、データ解析、ソフトウェア開発。
導入後も、保守・点検、部品供給、トラブル対応、改良提案。
一つの機械の裏側に、驚くほど多くの人が関わっています。

そして、その積み重ねが「当たり前のように動く医療」を支えています。
昨日のカンファレンスは、その当たり前が当たり前ではないことを改めて感じさせてくれました。

“支える側”の仕事にも、確かな意味がある

私は普段、エピテーゼやサージカルガイドの製作に関わっています。
直接、治療をするわけではありません。
しかし、患者さんの生活や治療の質を支える役割として、確かな意味があると感じています。

たとえばサージカルガイドであれば、設計や精度が、手術の再現性や時間、患者さんの負担に影響することがあります。
エピテーゼであれば、見た目の回復だけでなく、日常の安心感や「外に出よう」という気持ちにつながることがあります。

つまり、医療を支える仕事は“周辺”ではあるけれど、決して“付け足し”ではない。
むしろ、周辺の質が上がれば、医療全体の質も上がる。
昨日の場で、そんな連鎖を強く感じました。

連携の本質は「相手の現場を想像すること」

医療は一人ではできない。病院の中だけでも完結しない。
この言葉はよく聞きますが、実際に現場の会議に参加すると、その意味が身体に落ちてきます。

連携というのは、単に「つながること」ではなく、
「相手の現場を想像し、相手の目的を理解したうえで、必要な形に整えること」
なのだと思います。

機器を開発する側は、現場の制約(時間、環境、手順)を想像しなければならない。
現場は、機器の特性や限界を理解しなければならない。
そして双方が、同じ方向(患者さんのため)を向いてはじめて、連携は機能する。

エピテーゼやサージカルガイドの仕事も同じです。
「こちらが作りやすい形」ではなく「現場で使いやすい形」。
「見た目が良い」だけでなく「使い続けられること」。
そうした視点を忘れないようにしたいと、改めて思いました。

学ぶたびに、視野が少し広がる

昨日は、医療の現場にいる先生方だけでなく、その周囲で支えるさまざまな職種や企業の存在に思いを巡らせるきっかけになりました。

「まだまだ知らないことがある」
「まだまだ学べることがある」
そう思えることは、ありがたいことです。

学びは、すぐに成果に変わらないこともあります。
でも、視野が広がると、次の現場での判断が変わる。
提案の言葉が変わる。
関わり方が変わる。
そして、その積み重ねが、結果として“良いものづくり”につながるのだと思います。

また一つ、貴重な経験をさせていただいた一日でした。
この気づきを、これからの仕事に少しずつ落とし込んでいきたいと思います。

\ 最新情報をチェック /

すぎちゃん

杉本 雄二(すぎもと・ゆうじ)プロフィール
エピテーゼサロン綴 代表。
歯科技工士/日本歯科技工学会 評議員/技工士教育・研究開発にも精力的に取り組む。
1984年に富山歯科総合学院 歯科技工士科を卒業後、石川県立中央病院 歯科口腔外科に勤務。
1994年に歯科技工所「デントニウム」を開設、2003年には法人化。
以来、歯科技工だけでなく、再建医療・審美分野への応用技術に取り組み、
人工乳房・耳・指などのエピテーゼ製作やカスタム手術ガイドの開発も行っている。
■ 主な役職歴
• 2014〜2020年:石川県歯科技工士会 会長
• 2022年〜:石川県歯科技工士連盟 会長
• 日本歯科技工学会 評議員
• 第41回日本歯科技工学会 準備委員長
• 2016〜2018年:日本歯科技工士連盟 理事
■ 海外発表・国際活動
• 2013年:国際歯科技工学会(韓国)にて発表
• 2017年:ベトナム国際セミナー「歯科医療に貢献する歯科技工」参加
• 2018年:アメリカ審美学会(AEED)にて発表
• 2019年:台湾・台南歯科医師会総会に招待参加
• 2025年:国際歯科技工学会 ポスター発表(優秀賞受賞)
■ 特許・共同研究実績
• 2011年:歯科用インプラントに用いるジグ(特許取得)
• 2022年:指エピテーゼの関節機能に関する共同研究(国立石川高専)
• 2024年:人工乳房の開発(金沢工業大学と共同研究)
• 2024年:口唇口蓋裂患者向け、ホッツ床とエピテーゼ一体型新技術の開発
________________________________________
「医療技術と美しさの両立」を目指して、患者一人ひとりのQOL向上に寄与する技工を日々探求中。
現在は、技工と形成外科・再建医療の融合分野にも取り組みながら、
後進育成や地域の医療連携にも力を注いでいる。

すぎちゃんをフォローする
シェアする
PAGE TOP