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お気に入りのメガネ修理に挑戦【その3】|レーザー溶接を選んだ理由と接合方法

お気に入りのメガネ修理に挑戦【その3】

今回も
折れてしまった鼻パッド部分のワイヤーを自力で修理するプロジェクトの続きです。

前回の【その2】では
歯科技工用ワイヤー(PGA-12)を使い

  • ワイヤーの成形

  • 軟化・硬化の熱処理

  • 接合方法の検討

までを進めました。

そして今回は
いよいよ「接合作業」という、
この修理における最大の山場へと入っていきます。

なぜ接合方法が重要なのか

鼻パッドを支えるワイヤーは、
見た目以上に繊細で重要なパーツです。

  • 強度が不足すれば、すぐに再破損する

  • 熱をかけすぎれば、周囲の部品が変形する

  • 仕上がりが悪ければ、使用時に違和感が出る

そのため
どの方法で接合するか
修理全体の成否を左右すると言っても過言ではありません。

レーザー溶接を選んだ理由

今回、接合方法として選んだのは
レーザー溶接です。

その最大の理由は
炎を使わず必要な部分だけをピンポイントで溶かして接合できるという点。

通常の「ろう付け」の場合
バーナーなどの炎を使うため

  • 熱が広範囲に伝わりやすい

  • 近くにあるプラスチックパーツが変形するリスクが高い

という問題があります。

そのため、ろう付けを選ぶ場合は、

  • フレームを分解する

  • プラスチック部品を一度すべて外す

  • 溶接後に再度組み立てる

といった工程が必要になり、
これが想像以上に手間のかかる作業になります。

レーザー溶接のメリット

一方、レーザー溶接であれば

  • 狙った箇所だけを瞬間的に加熱できる

  • 周囲への熱影響を最小限に抑えられる

  • フレームを分解せずに作業できる

という大きなメリットがあります。

特に今回のように

  • 熱に弱いパーツが近くにある

  • 見た目の仕上がりも重視したい

というケースでは、
非常に理にかなった方法だと判断しました。

いよいよ、最終工程へ

ここまでで

  • ワイヤーの選定

  • 成形と熱処理

  • 接合方法の決定

と、修理に必要な準備はすべて整いました。

次回はいよいよ、
レーザー溶接の実際の作業風景と、
最終的な仕上げ・フィッティング調整に入ります。

お気に入りのメガネは、
果たして無事に復活するのか……?

続きは【その4】でお伝えします。

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すぎちゃん

杉本 雄二(すぎもと・ゆうじ)プロフィール
エピテーゼサロン綴 代表。
歯科技工士/日本歯科技工学会 評議員/技工士教育・研究開発にも精力的に取り組む。
1984年に富山歯科総合学院 歯科技工士科を卒業後、石川県立中央病院 歯科口腔外科に勤務。
1994年に歯科技工所「デントニウム」を開設、2003年には法人化。
以来、歯科技工だけでなく、再建医療・審美分野への応用技術に取り組み、
人工乳房・耳・指などのエピテーゼ製作やカスタム手術ガイドの開発も行っている。
■ 主な役職歴
• 2014〜2020年:石川県歯科技工士会 会長
• 2022年〜:石川県歯科技工士連盟 会長
• 日本歯科技工学会 評議員
• 第41回日本歯科技工学会 準備委員長
• 2016〜2018年:日本歯科技工士連盟 理事
■ 海外発表・国際活動
• 2013年:国際歯科技工学会(韓国)にて発表
• 2017年:ベトナム国際セミナー「歯科医療に貢献する歯科技工」参加
• 2018年:アメリカ審美学会(AEED)にて発表
• 2019年:台湾・台南歯科医師会総会に招待参加
• 2025年:国際歯科技工学会 ポスター発表(優秀賞受賞)
■ 特許・共同研究実績
• 2011年:歯科用インプラントに用いるジグ(特許取得)
• 2022年:指エピテーゼの関節機能に関する共同研究(国立石川高専)
• 2024年:人工乳房の開発(金沢工業大学と共同研究)
• 2024年:口唇口蓋裂患者向け、ホッツ床とエピテーゼ一体型新技術の開発
________________________________________
「医療技術と美しさの両立」を目指して、患者一人ひとりのQOL向上に寄与する技工を日々探求中。
現在は、技工と形成外科・再建医療の融合分野にも取り組みながら、
後進育成や地域の医療連携にも力を注いでいる。

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