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お気に入りのメガネ修理に挑戦【その2】|歯科技工用ワイヤーで自力修理してみた

お気に入りのメガネ修理に挑戦【その2】

前回のブログでご紹介した
福井県のメガネ博物館で購入したお気に入りのメガネ修理の続編です。

鼻パッドとフレームをつないでいた細いワイヤーが折れてしまい
メガネ屋さんでは「修理不可」と言われたこのメガネ。

それでもどうしてもあきらめきれず
自分の手で直す道を選びました。

今回は、いよいよ
「材料選び」と「修理方法の検討」に踏み込んでいきます。

歯科技工の知識を、メガネ修理に応用する

今回、修理に使うことにしたのが
歯科技工用のワイヤー(PGA-12)です。

PGA-12は、もともと
入れ歯のクラスプ(バネ)に使われる
歯科用の貴金属ワイヤー

このワイヤーの特長は、

  • 適度な強度がある

  • しなやかで折れにくい

  • 加工性がよく、細かな調整ができる

まさに、今回のメガネ修理に
ぴったりではないかと考えました。

ワイヤー成形と熱処理の工程

片側にはまだ元のワイヤーが残っていたため、
それをお手本にしながら作業を進めます。

鉗子を使い、
ワイヤーの角度や曲がり具合を
ひとつひとつ丁寧に確認しながら成形。

ただし、この段階のワイヤーはまだ柔らかく、
そのままでは実用強度が足りません。

そこで説明書に従い
熱処理を行います。

  • 750℃で10分間の軟化処理

  • その後、水中で急冷

  • 続いて 400℃で20分間の硬化処理

歯科技工ではおなじみの工程ですが、
これをメガネ修理に使うのは、なかなか新鮮な感覚です。

接合方法をどうするか?最大の悩みどころ

次に立ちはだかったのが、
ワイヤーとメガネ本体をどう接合するかという問題。

選択肢として考えたのは、

  • ろう付け

  • レーザー溶接

どちらの方法も可能ではありますが、

  • メガネ本体の素材

  • 周囲にある熱に弱いパーツ

  • 見た目の仕上がり

これらを慎重に見極める必要があります。

安易に熱をかけてしまうと、
フレーム自体を傷めてしまう恐れもあります。

今回選んだのは「レーザー溶接」

検討を重ねた結果、
今回は レーザー溶接 を選択することにしました。

理由は、

  • 接合部分をピンポイントで処理できる

  • 周囲への熱影響を最小限に抑えられる

  • 仕上がりが比較的きれい

このあたりを総合的に考えた結果です。

もちろん、実際にやってみないと分からない部分も多く、
少し緊張する工程でもあります。

 

次回、いよいよ最終工程へ

ここまでで

  • ワイヤーの選定

  • 成形

  • 熱処理

  • 接合方法の決定

と、下準備は整いました。

次回はいよいよ
レーザー溶接による接合作業
最終的なフィッティング調整へと進みます。

果たして
このお気に入りのメガネは
再び実用に耐えうる状態に戻るのでしょうか……?

続きは【その3】でご紹介します。

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すぎちゃん

杉本 雄二(すぎもと・ゆうじ)プロフィール
エピテーゼサロン綴 代表。
歯科技工士/日本歯科技工学会 評議員/技工士教育・研究開発にも精力的に取り組む。
1984年に富山歯科総合学院 歯科技工士科を卒業後、石川県立中央病院 歯科口腔外科に勤務。
1994年に歯科技工所「デントニウム」を開設、2003年には法人化。
以来、歯科技工だけでなく、再建医療・審美分野への応用技術に取り組み、
人工乳房・耳・指などのエピテーゼ製作やカスタム手術ガイドの開発も行っている。
■ 主な役職歴
• 2014〜2020年:石川県歯科技工士会 会長
• 2022年〜:石川県歯科技工士連盟 会長
• 日本歯科技工学会 評議員
• 第41回日本歯科技工学会 準備委員長
• 2016〜2018年:日本歯科技工士連盟 理事
■ 海外発表・国際活動
• 2013年:国際歯科技工学会(韓国)にて発表
• 2017年:ベトナム国際セミナー「歯科医療に貢献する歯科技工」参加
• 2018年:アメリカ審美学会(AEED)にて発表
• 2019年:台湾・台南歯科医師会総会に招待参加
• 2025年:国際歯科技工学会 ポスター発表(優秀賞受賞)
■ 特許・共同研究実績
• 2011年:歯科用インプラントに用いるジグ(特許取得)
• 2022年:指エピテーゼの関節機能に関する共同研究(国立石川高専)
• 2024年:人工乳房の開発(金沢工業大学と共同研究)
• 2024年:口唇口蓋裂患者向け、ホッツ床とエピテーゼ一体型新技術の開発
________________________________________
「医療技術と美しさの両立」を目指して、患者一人ひとりのQOL向上に寄与する技工を日々探求中。
現在は、技工と形成外科・再建医療の融合分野にも取り組みながら、
後進育成や地域の医療連携にも力を注いでいる。

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