おしらせ

歯科技工士学校の会社説明会へ|デジタル技工・エピテーゼ・教育制度を学生へ紹介

今日は、歯科技工士学校で開催される会社説明会に参加してきます。
毎年この時期になると、学生の皆さんが就職先について具体的に考え始める、大切な時期を迎えます。

学生の皆さんにとって、初めて社会へ出る会社を選ぶことは、これからの仕事だけでなく、人生にも大きく関わる決断です。
どのような仕事をするのか。
どのような先輩と働くのか。
どんな技術を身につけられるのか。
そして、自分がどのような歯科技工士になっていきたいのか。

限られた時間の中で会社のことを知り、自分に合う職場を選ぶのは、決して簡単なことではないと思います。
だからこそ、今回の会社説明会では、できるだけ分かりやすく、私たちの仕事や考え方をお伝えしたいと思っています。

この記事でわかること

  • 歯科技工士学校の会社説明会でお伝えしたいこと
  • 有限会社デントニウムで経験できる仕事
  • 技術だけではなく「学び続けること」を大切にする理由
  • 学生の皆さんに、就職先を選ぶ時に考えてほしいこと

仕事内容だけでなく、職場の空気も伝えたい

会社説明会では、仕事内容や職場の雰囲気、教育制度、働き方などについてお話しする予定です。

会社案内や求人票だけでは、分からないことがたくさんあります。
どのような仕事が多いのか。
入社後は誰が教えるのか。
分からないことを相談しやすい環境なのか。
若いスタッフがどのように成長しているのか。

こうした部分は、就職してからの働きやすさにも大きく関わります。

会社の規模や設備、給与や休日ももちろん重要です。
しかし、それと同じくらい、日々どのような人たちと働き、どのような考え方の中で仕事を覚えていくのかも大切だと思います。

今回の説明会では、会社の良いところだけを並べるのではなく、実際の仕事の流れや難しさも含めて、できるだけありのままをお伝えしたいと考えています。

デジタル技工からエピテーゼ製作まで

私たちの会社では、CAD/CAMをはじめとしたデジタル技工に取り組んでいます。

口腔内スキャンデータを活用した設計や、CADソフトによる補綴物のデザイン、加工機や3Dプリンターを用いた製作など、歯科技工の現場でもデジタル技術は欠かせないものになっています。

学生の皆さんにとっても、これからの歯科技工を考える上で、デジタル技術を学べる環境は大きな意味を持つと思います。

一方で、私たちの会社ではデジタル技工だけでなく、手作業による技術や基礎も大切にしています。

どれほど機械やソフトが進歩しても、最終的に形を確認し、調整し、仕上げるのは人です。
解剖学的な知識、形態を見る力、材料を扱う感覚、細かな違いに気づく観察力。
そうした基礎があってこそ、デジタル技術も正しく使いこなせるのだと思います。

また、一般的な歯科技工に加えて、私たちはエピテーゼ製作にも取り組んでいます。

エピテーゼとは、病気や事故、先天的な理由などで失われた耳・鼻・指・乳房などを、シリコーンなどの素材で補う人工補綴物です。

歯科技工で培った型取り、形態の再現、色合わせ、デジタル設計などの技術を活かしながら、必要とされる方の外見や生活を支える仕事です。

一般的な歯科技工所では経験する機会が少ない分野ですが、歯科技工士の技術が歯だけでなく、より幅広い支援につながることを知っていただけたらと思っています。

「学び続けること」を大切にする会社

私たちが技術と同じくらい大切にしているのが、学び続ける姿勢です。

歯科技工の世界は、材料や機器、設計方法、デジタル技術などが絶えず変化しています。
学校を卒業し、国家資格を取得したら学びが終わるわけではありません。

むしろ、現場に出てからが本当の学びの始まりです。

実際に仕事を始めると、教科書通りにはいかないことも多くあります。
一人ひとり異なる口腔内の状態や、歯科医院ごとの考え方、材料の特性、納期や工程など、さまざまな条件の中で判断する力が求められます。

分からないことをそのままにせず、調べる。
先輩に聞く。
外部の講習会へ参加する。
新しい技術を試してみる。

そうした小さな学びの積み重ねが、数年後の大きな差につながっていくのだと思います。

働きながら歯科技工士を目指すスタッフもいます

弊社では、奨学金制度を利用し、歯科技工士学校に通いながら働いているスタッフもいます。

学校で学んだことを、会社の現場で確認する。
会社で経験したことを、学校での学びにつなげる。

学ぶ場所と働く場所がつながることで、理解がより深まり、成長にもつながっているように感じます。

もちろん、学校と仕事を両立することは簡単ではありません。
授業や課題、実習に加えて、会社での仕事もあります。
疲れる日や思うようにいかない日もあると思います。

それでも目標に向かって努力を続ける姿は、周囲のスタッフにも良い刺激を与えてくれています。

会社としても、若い人が安心して学び、成長していけるような仕組みを少しずつ整えていきたいと考えています。

私自身も、新たな学びに挑戦しています

学び続けることを大切にしているのは、若いスタッフだけではありません。

私自身も現在、大学院受験に向けて準備を進めています。

長く仕事を続けてきましたが、まだ知らないことはたくさんあります。
年齢や立場に関係なく、新しいことを学び、もう一度基礎から考え直すことは大切です。

会社説明会で学生の皆さんに「学び続けることが大切です」と伝える以上、私自身も行動で示さなければならないと思っています。

学ぶことは、決して楽なことばかりではありません。
時間を作ることも大変ですし、覚えたことを忘れてしまうこともあります。

それでも、学ぶことで新しい視点が生まれ、今まで見えなかったことが見えるようになります。
その経験は、仕事にも会社づくりにも必ず活かせると考えています。

良いところだけではなく、仕事の難しさも伝えたい

学生の皆さんにとって、就職先を選ぶことは、これからの人生を左右する大きな決断です。

だからこそ、会社の良いところだけをお話しするのではなく、仕事のやりがいや難しさも含めて、正直にお伝えしたいと思っています。

歯科技工は、細かな作業が多く、集中力も必要です。
納期が重なると忙しくなることもあります。
思い通りの形にならず、何度もやり直すこともあります。

決して楽な仕事ではありません。

しかし、自分が作った技工物が患者さんの口腔内で役立ち、食事や会話を支えることができる。
エピテーゼであれば、外見の変化に悩む方の生活や気持ちを支えることにもつながります。

目の前の作業の先に、人の生活がある。
そこに、この仕事の大きなやりがいがあると思っています。

会社説明会は、会社が選ばれるだけの場ではない

会社説明会というと、学生が会社を選ぶ場というイメージがあります。

もちろん、それは間違いではありません。
しかし会社側にとっても、学生の皆さんから選んでいただく場であり、自分たちの会社のあり方を見直す機会でもあります。

若い世代は、どのようなことに関心を持っているのか。
職場に何を求めているのか。
どのような技工士になりたいと考えているのか。

学生の皆さんのお話や質問を聞くことで、会社側も多くのことを学べます。

説明するだけではなく、こちらも話を聞く。
お互いを知る時間にできたらと思っています。

未来の歯科技工士との出会いを楽しみに

説明を聞いた学生さんが、
「この会社で働いてみたい」
「こんな技工士になりたい」
と少しでも感じていただけたら、とても嬉しく思います。

すぐに就職へつながらなかったとしても、今回の説明が、将来を考えるための一つの材料になれば、それだけでも意味があると思います。

歯科技工士を目指す若い皆さんが、どのような思いを持ち、どのような未来を描いているのか。
今日は、未来の歯科技工士との素敵な出会いがあることを楽しみに、会社のこと、仕事のこと、そして私たちが大切にしていることを、しっかりお伝えしてきたいと思います。

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すぎちゃん

杉本 雄二(すぎもと・ゆうじ)プロフィール
エピテーゼサロン綴 代表。
歯科技工士/日本歯科技工学会 評議員/技工士教育・研究開発にも精力的に取り組む。
1984年に富山歯科総合学院 歯科技工士科を卒業後、石川県立中央病院 歯科口腔外科に勤務。
1994年に歯科技工所「デントニウム」を開設、2003年には法人化。
以来、歯科技工だけでなく、再建医療・審美分野への応用技術に取り組み、
人工乳房・耳・指などのエピテーゼ製作やカスタム手術ガイドの開発も行っている。
■ 主な役職歴
• 2014〜2020年:石川県歯科技工士会 会長
• 2022年〜:石川県歯科技工士連盟 会長
• 日本歯科技工学会 評議員
• 第41回日本歯科技工学会 準備委員長
• 2016〜2018年:日本歯科技工士連盟 理事
■ 海外発表・国際活動
• 2013年:国際歯科技工学会(韓国)にて発表
• 2017年:ベトナム国際セミナー「歯科医療に貢献する歯科技工」参加
• 2018年:アメリカ審美学会(AEED)にて発表
• 2019年:台湾・台南歯科医師会総会に招待参加
• 2025年:国際歯科技工学会 ポスター発表(優秀賞受賞)
■ 特許・共同研究実績
• 2011年:歯科用インプラントに用いるジグ(特許取得)
• 2022年:指エピテーゼの関節機能に関する共同研究(国立石川高専)
• 2024年:人工乳房の開発(金沢工業大学と共同研究)
• 2024年:口唇口蓋裂患者向け、ホッツ床とエピテーゼ一体型新技術の開発
________________________________________
「医療技術と美しさの両立」を目指して、患者一人ひとりのQOL向上に寄与する技工を日々探求中。
現在は、技工と形成外科・再建医療の融合分野にも取り組みながら、
後進育成や地域の医療連携にも力を注いでいる。

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